盛岡市 新築住宅F様邸 Cat6Aで納品させて頂きました
普段は企業様、官公庁様への光回線の提供工事でお邪魔させて頂いていますが、今回は新築のお宅にCat6A規格の家庭内LANのご依頼があり施工させて頂きました。
通常は企業様、官公庁様の工事なので、秘密保持の観点から施工事例などを当サイトで掲載することは難しいのですが、施主様は同様の問題を抱えている方々へのお手伝いになればと、施工写真の撮影を快諾いただいたのでプライバシーを考慮し施工事例という形でブログを書いてみました。
実はCat6でも10Gbps通信は可能
Cat6Aケーブルは、10ギガビットイーサネットに対応しており、高速なデータ転送が可能です。
また、特殊なシールドを採用し(STPとは別)周囲のノイズに強い構造を持っているため、信号の品質を維持した高品質な通信環境を実現することができるのです。
しかし、一般的な情報ではありませんがCat6でも55m(束ねる場合は37m)以内であれば10Gbpsでの通信が可能との事。
事実、弊社は住宅の一部を事務所として使っている短いケーブル距離のLANで構築されていて、10Gbpsポートを使用したインテリジェントスイッチとCat6ケーブルのLAN環境でスループットはほぼ10Gbpsを確認しています。もちろんフルークの10Gテストもパスしています。
ですので、一般家庭の場合のケーブルは長くても30m程度とすればCat6規格でも10Gbpsは問題なく通信できるので予算を抑えたい場合はそちらの選択もありだと思います。
しかし、
既存設備がCat6であれば様子見が賢明と思いますが、どうせお金を出して新設で敷設、あるいは張り替えするなら将来を見据えて、やはりCat6Aが安心です。
なによりLANジャックに「CAT6A」と書かれている文字には説得力があります。
なので事務所のLANジャックには後で「CAT6A」のテプラを作って貼っておこうと思います(笑)
配管はΦ16mmがおすすめ
施行打合せはメールだけで完結出来たので、現場をこなしている身としてはとても助かりました。
そのメールのやり取りの中で、LANケーブルを通線する配管がΦ14mmという事でしたのでΦ16mmへ変更していただきました。
Cat5eケーブルを通線するのであればΦ14mmでも問題ないと思いますが、Cat6、Cat6Aともケーブルには十字介在が入っている為に外径は太くなり、更にCat6とCa6Aのケーブル外径の差は1mmとさほど変わらないのですが、構造上の違いからCat6Aのケーブルはとても曲がりにくいので少しでも太い配管の方が施工時の失敗のリスクを排除することができます。
配管にケーブルを通すだけなのですが、極まれに配管の曲げが小さすぎる個所でケーブルが進まなくなり、最終的に露出配線にする事も考えられます(最悪のケーブルと通線器とも残置は避けたいものです)。
打合せは図面が大切
文章や口頭だけの打合せだと、勘違いや意味の取り違えのリスクがありますので、施主様にはお手数をお掛け致しましたが図面を用意していただき、施工イメージが明確な状態で現場に臨むことが出来ました。
この、「施工イメージを明確な状態で現場に向かう」という事は、安全と施工品質に大きく関わる事で弊社がとても大事にしている事です。
工事状況
ここまで打合せが進むとCat6Aでの納品に不安はありませんでした。
施行日の前日にご挨拶を兼ねて、一関市千厩町の現場からの戻り足で、今回のお宅の最終確認の為に施工場所の拝見をさせて頂きました。
今回の工事は情報ボックスから4か所のLANジャックへの配線です。
撮影許可を頂きプライバシーに考慮して撮影させて頂きました。
打合せ通りの16ΦmmのPF管でしたので安心して通線出来ました。
コンセントプレートを外すとPF管が見えます。
ここへ通線器を入れていきます。
※写真は上とは別の部屋のコンセントの場所になります
順調に4回線の通線を完了させ、ひと安心です。
なかなか使われない色のUTPケーブルですが、私の個人的な趣味で半強制的に勧めさせていただきました。
よく見るスカイブルーは古臭く見えてCat5をイメージしてしまい通信速度が早そうに見えないので・・・
見た目は大事だと思っている私です。
カテゴリで色分けしても分かりやすくて良いかもしれません。
また、HUBから先の枝線はスカイブルーだと幹線と枝線の見分けが付きやすいという利点もあります。
今回はLANジャックでの納品ですが、端末をプラグでの納品時は特におすすめでHUB周りのコードが分かりやすくなります。
また、LANコードを抜き差ししないのであれば品質面でもトラブル面でもプラグ渡しをお勧めしております(決してLANジャックが劣っているという意味ではなく、単純に接点が増えるから)。
外皮を剥きます。
Cat6より外皮の層があるので刃をMAXの「9」に設定します。
それでも透明シールドにはほんの少ししか刃が当たらないので、シールドを取り除くには少してこずります。
ここで大事な事は素線に刃を当てない事。
もしも、刃が当たっていたら剥き直しをして素線に傷がない状態を確認し施工します。
対になった2本の線のヨレは通信品質にとても大事なので出来るだけヨレをほどかない様に注意して施工します。
老眼が進んできている私にとっては難易度が高くなってきた作業工程で、ハズキルーペは強い見方。
もちろん正規な工具で圧着します。
これも私の個人的な趣味になりますが工具も資材もPanduit社あるいはPanduit社推奨のもので統一し納品しています。
日本のメーカーの品質が悪いとかそういうたぐいの考えでは無くて、単純に歴史的に安心できるメーカーだからです。
と、いう事で4本成端しました。
実はこのテプラもPanduit社とのコラボのもので、回転や移動が出来る便利なテプラなのです。
こういうのが欲しかった。
キングジムさん、パンドウィットさん、ありがとうございます。
ちょっとお高いけど。
弊社、村田もLANジャックの取付を慣れた手つきで進めます。
つい、施工に夢中になりLANジャックの写真を撮り損ねましたが、こんな感じでやってます。
完成したので試験の為のIDプラグをLANジャックに差します。
これがないとケーブルの距離しか測る事ができません。
無事に4回線ともフルークテスターでの10Gbps試験もパスしたので、安心して、そして自信をもって納品することが出来ました。
後に、ブログ掲載のお礼としてサービスさせて頂いたパッチコードと、この度敷設させて頂いた4回線と合わせて、それぞれのケーブルごとに下記のリザルトと請求書をメール添付させて頂きました。
今回の資材
- ケーブル
- 通信興業株式会社(パンドウィットアライアンスパートナー)
- TSUNET®-10GE AWG23-4P
- 通信興業株式会社(パンドウィットアライアンスパートナー)
- プラグ
- Panduit
- SP6X88C
- Panduit
- JISプレート用ジャックキット
- Panduit
- JASSP6ATGIW
- Panduit
- 表示札
- キングジム
- SZR100-225K(テプラ)
- キングジム
お気軽にお問い合わせください
既に始まっている10Gbps通信はもうすぐ家庭でも当たり前になり、家庭内のLAN環境が更新の時期を迎えている事を踏まえ、今後も私たちは技術の進歩と共により良い通信環境の提供を目指し、この施工事例が、皆様の新築住宅やリノベーションの際の参考になればと思います。
さらに詳しい情報やご相談については、お気軽にお問い合わせください。
いつも沿岸地方の端から端まで、内陸地方の端から端まで岩手県内隈なく出向いておりますので、遠方の方々からのお問い合わせもお待ちしております。
何分、零細企業で私自身が現場に飛び回っておりますので、お問い合わせの際は是非メールでお願いいたします。
この度は施主様のご協力とご厚意に感謝いたします。
ありがとうございました。
お問い合わせ
担当:佐々木
sasaki@sasatu.co.jp