Cat6ケーブルに張り替えてみた

倉庫を返却したのでそちらから移動してくる情報端末が事務所で増えるのでこの機会にLAN環境を整理していますが、あわせて配線もCat5eからCat6に刷新することにしました。

長らくデフォルト設定で運用してきたアライドのインテリジェントスイッチにようやくポートVLANを(自力)設定したので、今まで以上にシンプルな配線になり伝送速度が上がるとかの変化は体感できませんが、とてもすっきりとした配線とより多くの情報を流してくれそうな太いCat6ケーブル気分は上がりました

でもそこで疑問に思ったことがあります。

Cat6ケーブルを使う事に意味はあるの?

本来Cat6ケーブルは1000Base-TXポート用の仕様で、ツイストペアケーブル(LANケーブルとかUTPとかの意味)の1対(1ペア)で送信あるいは受信の一方通行でデータ(パケット)のやり取りがされます。

念を押した説明になりますが「上り」「上り」「下り」「下り」の4対(つい)8本です。

この場合の伝送速度は1対500Mb/sです。それが2対あるので1000Mb/sつまり1Gb/sの速度でやり取りされているのです。

この数字はスピードです。伝送速度です・・・。

勘の良い人は「おや、あとの2対は?」となるじゃないですか。

残りの2対は、先ほどの2対上り専用回線ならば残りの2対下り専用の回線です。

そして伝送速度はもちろん1Gb/sです。ただし双方向1秒間にやり取りしている量1Gb+1Gb2Gbですね。

これを高速道路に例えると上り下り車線とも2車線(2対)の高速道路で、速度100km/hのスピードで1レーンに50台づつ移動しているとします。

つまり100km/hのスピードで2レーン合わせて100台づつ、上り線下り線合わせて200台が100km/hのスピードで移動している状態です。

それに対して一般的に普及しているCat5eケーブルは1000Base-Tポート用の仕様で、データーのやり取りは1対で送受信します。

そしてその速度は1対250Mb/sです。1対250Mb/sが4対あるので1秒間に1000Mb送ることが出来ます。1Gb/sです。

またまた先ほどの高速道路に例えると...大事故になります。

・・・説明になりませんので現実離れしていますが強引に道路で例えてみると、センターラインのない道路で対向車25台づつが100km/hのスピードですれ違っている車線が4レーンある状態です(怖)。

速度は100km/hですが行き交う車の量は25台×4レーン×上下線で200台です。

同じ伝送速度でも行き交うデータ送受信の仕方の違いがCat6ケーブルの仕様とCat5eケーブルの仕様の違いです。

じゃなかった (^_^;)

これはあくまでも1000Base-TXポートと1000Base-Tポートの仕組みの違いでありケーブル特性ではありませんね。

結論

さらに残念な事に1000Base-TXのポートを持つスイッチ(HUB)とかルーターとかは現存していない事が分かりました(自分調べ)。

1000Base-TXの方が構造が簡単なので安価に作る事ができた様ですが、今あるLANケーブルを張り替えるコストと手間が発生する為、多少スイッチが高くてもスイッチだけ交換すれば良いのでCat6ケーブルと1000Base-TXの組み合わせは普及しなかった様です。

そして、工場や学校など敷設距離が長くなるとかPoEで運用する場合などは、構造的に間違いなくCat6ケーブルの方が安心でが、雑音の影響が少なく短い敷設距離の一般家庭でCat6ケーブルを使う事にはあまり意味を見出せないと結論付けました。

だからと言って、さらに上の規格の10Gb/s伝送できるCat6aも考えましたが、まだまだ周辺機器が手ごろな価格で出回っていないません。

現実的なところCat5eよりも雑音に強いとか伝搬特性に余裕があるとか銅線の経年劣化による通信品質の劣化とか考慮して、どれも全く体感できない理由ではありますが、太くて立派なCat6ケーブルに張り替える事は十分気分が上がる事だと付け加えておきます(笑)。

Cat6にこだわるもう一つの理由

結論を出しておきながらもう一言。

弊社では部品点数が多く手間のかかる、しかも一般的なモジュラープラグ(コネクタ)の数倍の価格のPanduitのCat6モジュラープラグを使わせていただいておりますが、世の中にはCat5eで使われるような一般的なRJ-45本体1個で成端できる普通のモジュラープラグも見かけます。

弊社がなぜわざわざそんな高額で生産性の悪い手間のかかる部品を使っているかというと、やはり品質です。

ワイヤーマップ(結線)さえ間違えなければ通信はなんの問題もなく出来てしまいます。

しかし、モジュラープラグの作り方のポイントを抑えていないと品質が保てないのです。

例えば対になった素線のヨレの取り回し方など通信品質にはとても重要なポイントになります。

その点でPanduitのCat6モジュラープラグはうまく素線が取り回し出来るように「ガイド」が付いていて、対になった素線のヨリを戻し過ぎては意味がありませんが、そのガイドに素線を添わせることで、誰が施工してもある程度の品質は保たれているように感じます。

おまけ

組み立てたLANケーブルの品質を測定するためにはFlukeなどの「認証」測定器が必要ですが、これが数百万円とお高く手が出せません。

それでも弊社ではFlukeの「検証」テスターは持ち合わせているので、1000Bse-T(100じゃないですよ)までの「検証」や、障害点までの距離を出したりする事は可能ですので、工事をさせていただく際にはそれなり?の品質で施工させていただくことは可能ですのでご安心ください。

コロナで暇なうちに、一般的なモジュラープラグとPanduitの(面倒な)モジュラープラグとで認証の合格率とか伝送特性とかいつか調べてみたい思いが沸き上がってきている事と、PanduitとFlukeの回し者ではない事を最後に付け加えておきます(笑)。

※すべて自分調べなので間違った情報の場合はご一報いただけると幸いです。

乱文乱筆失礼いたしました。